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お客様の声 トミー工業株式会社 様

2014年07月

仕上がった基板をひと目見て、アマチュア向けという誤解はなくなりました

遠心分離器やオートクレーブ、植物インキュベーター、超音波発生器など、さまざまな研究機器を開発・生産しているトミー工業。研究機器の専門メーカーとして幅広い製品開発に取り組んでいる同社の開発者である藤田昌彦さんに、開発内容や今後の展開、そして「P板.com」の魅力についてお聞きしました。

事業内容をお聞かせください。

藤田さん 弊社の開発部門は、遠心分離器、高圧蒸気減菌器(オートクレーブ)、その他の製品と、大きく3つに分かれています。 自分が所属しているのは、その他の製品の部門で、ここでは植物インキュベーター(植物を人工的に育成するために使う人工気象器)や、 植物の葉の断片に当てて組織を破断するための超音波発生器(超音波ホモジナイザー)などを開発しています。 これらの実験器具は大学の研究室や企業の研究開発部門などで使用されることが多いです。

P板.comの基板はどのような製品に利用していますか?

藤田さん 弊社の製品は、カタログに標準品として載せているものをそのまま納品する場合もありますが、クライアントから仕様を変えて欲しいと依頼される場合も少なくありません。 このような特注製品の場合は一点ものとして基板を作る必要があり、P板.comの基板はそのような特注製品のときに利用しました。
私は昨年使用したのが初めてだったのですが、社内では私以外に2人、P板.comを利用したことのある人がいます。そのときは特注製品ではなく、評価治具の製品に使ったようです。

実際にP板.comを利用してみた感想をお聞かせください。

藤田さん 実はP板.comについては当初、アマチュア工作家向けのサービスだと誤解していたのですが、実際に仕上がった基板をひと目見て、そのような懸念はなくなりました。 製造サービスだけでなく、基板の設計もお願いしたのですが、配線の取り回しなど、さまざまな点でしっかりと考えられていて驚きました。 設計の過程においても、カスタマーサポートの方から連絡が来て、「この部分はこうしませんか」と提案されたこともあり、きちんと考えていただいてるのだな、と思いました。

納期に選択肢があって最適なものを選べる点も便利だし、見積りをウェブで確認できるので、一旦見積りを出して高いと思ったら納期に余裕を持たせて価格を下げる、というように色々と工夫できます。 他にも、イニシャルコストの有無など、色々な選択肢がひと目でわかるので重宝します。

研究機器の開発の難しさ、そして面白さを教えてください。

藤田さん 私はこの会社に入る前はデジタルカメラやプリンタ、携帯電話など、主にデジタル系のスキルが要求されるコンシューマー製品の開発を行ってきましたが、 研究機器はコンシューマー製品とは異なり、例えば「抵抗値をどれくらいにするか」といったアナログ系のスキルが要求されます。自分にとってはそこが課題ですね。
あと、特注製品の場合は量産品とは違って長い期間をかけて評価することは難しく、「この範囲なら大丈夫だろう」という見込みを考えながら開発しなければならないので、その点が難しいです。 安全性や耐電圧性も重要です。とくに遠心分離器などは、実験対象物が中で破裂してしまうことも想定して設計しなければなりません。

逆に面白いところは、コンシューマー製品とは違ってデザインよりも性能や品質が優先される点です。 コンシューマー製品を開発していたときは、デザインのためにスペックダウンしなければならなかったことが何度もありますが、今は自分が心底納得できるスペックで開発することができます。

今後の抱負をお聞かせください。

藤田さん 研究機器はコンシューマー製品とは違ってお客様のニーズを掴むのが難しく、そこは開発にあたっていつも苦労するところです。 私のような電気関係のエンジニアと化学の研究者とでは、言葉の使い方からして違う部分もあるので、そのような“文化”の違いも踏まえる必要があります。

そのためにも、リサーチを通じてお客様にどのようなニーズがあるのかをしっかりと汲み取り、それに合った商品をいかに開発していくかが今後の課題です。 同時に、現在会社で扱っている製品以外にもヒット商品を生み出したい、という目標もあり、それを目指して開発に取り組んでいます。

お忙しいなか、とても貴重なお話をありがとうございました。

藤田 昌彦 様にご利用いただいたサービス

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