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ハーネス加工でよくある失敗を教えてください。
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コンタクトに対して適用外の電線を圧着することです。
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プリント基板から信号や電源を外部に接続する手段として、ハーネスを使用することがあります。使用本数が少量であれば、自ら電線とコンタクトを圧着する方も多いでしょうが、本数が多くなると作業時間を考え外部に出すこともあるでしょう。さて、ハーネス加工を注文後、依頼先から電線とコンタクトが適用外と指摘された経験があります。もちろん、コンタクトに対して適用範囲内の電線径を選択していました。どんな理由で適用外となったのでしょうか。よく質問をいただくハーネス加工に関わる用語について触れながら、理由を考えてみます。
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ハーネス関連用語
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●電線
一般的に、電気信号を伝えるための導線を絶縁体で被覆した線のことです。導線、絶縁体の素材やサイズ、導線の数など様々な種類が存在します。
●AWG
AWG(American Wire Gauge)は、主に米国で使用されている電線の導体太さを表す単位のようなものです。AWGの後に続く数字が大きくなるほど、導体径は細くなります。他に電線の太さを表す指標にはSQ(Square)もあります。
●電線仕様
一般的な電線仕様を表にまとめたのでご参照ください。
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適用外と指摘されたワケ
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適用外と指摘された部材の各数値を下記にまとめました。

コンタクトの適用電線範囲を見るとAWG32~28ですので、選択した電線UL1007 AWG28は適用内ではと思うでしょうが、もう一つの数値である電線被膜外形を見ると、電線被膜外形範囲が0.4~0.8mmと記載されています。UL1007 AWG28の絶縁体外形は1.20mmですので、これが理由で適用外になったと考えられます。電線をUL1571 AWG30にすれば適用内になり加工が可能となりますが、温度や電圧定格が変わるため、仕様に合っているかを十分に確認する必要があります。
では、なぜ絶縁被覆外形を考慮する必要があるのでしょうか。今回の部材の場合、電線の圧着部は電気経路を保持するための電線箇所と、衝撃や振動などへの耐性をもたらすための被覆箇所になります。被覆箇所が数値外ですと、正しい圧着ができず電線被覆がコンタクトから抜けやすくなったり、電線まで固定箇所が食い込んでしまい電線を傷つけることにつながります。ただし、使用する部材によって適用可否の項目は変わるので、使用部材のデータシートは必ず確認しましょう。

最後に、P板.comの1-Click見積ハーネス加工サービスでは、適用範囲の数値を考慮した組み合わせのみ表示するので、項目を選択するだけで適用範囲内のハーネス加工が可能です。誰でも手軽に利用できるサービスですので、是非ご利用ください。
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