高速ディジタル回路=高周波回路!キーワードは「差動」
USB4 ver2 では 40Gbps、PCI-Express Gen6 では 64Gbps というふうに、膨大なデータ通信が可能になりました。
1 秒間に送信するデータ量が多いほど、ディジタル回路の H レベルと L レベルの時間が短くなります。例えば、USB4 ver2 では 39ps、PCI-Express Gen6 では 31ps しかありません。真空中の光でさえ、10mm しか進めない時間です。
これだけの短時間で、H/L レベルを切り替えるためには、振幅電圧を下げるしかありません。しかし、振幅電圧を下げると、外来ノイズの影響を受けやすくなります。
1 つの信号を振幅を半分にし、さらに正相と逆相の 2 つの信号に分けて(通信線も2 本に増やす)伝送する「差動線路」を利用すると、外来ノイズの影響を受けにくくなります。受信端に届いた正相と逆相の信号を差し引いて復元します。2 本の線を撚り合わせておくことで、外来ノイズは 2 本の通信線に同じ位相で重畳するため、ノイズは受信端でキャンセルされて減衰します(図 1)。
本連載では、超高速ディジタル回路に必須の差動線路の特性を理解するために、周波数領域の表現方法である$S$パラメータと特性インピーダンスについて解説します。
第 1 回のテーマは、シングルエンドの$S$パラメータ(Scattering Parameter)、第2 回は差動線路の$S$パラメータです。第 3 回以降は、特性インピーダンスについて解説します。
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