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3層材、2層材とは何ですか?
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フレキシブル基板の材質のことです。
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外形サイズや枚数、板厚、層数など、プリント基板を製作する上で決定する仕様は多数あります。
もし、正しい仕様を伝えられないと問題が起きます。前号では同じ意味を成す用語について説明しましたが、今号は似た用語で別の意味を成す例を紹介します。
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フレキシブル基板の材質
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フレキシブル基板の材質は、大きな分類でみると3層フレキシブル銅張積層板(以後、"3層F-CCL")と2層材フレキシブル銅張積層板(以後、"2層F-CCL")に分けることができます。3層材、2層材と言葉を省略することもあるため、基板の層数と誤解することもあります。では、 ”3層F-CCL”と”2層F-CCL”とは何でしょうか。
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フレキシブル基板用の銅張積層板
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その前に、フレキシブル基板用の銅張積層板について説明します。まず、フレキシブル基板は、薄膜状で柔らかいことを求められます。そのため、フレキシブル基板用の銅張積層板(以後、"F-CCL")も、その特徴を有する必要があります。
"F-CCL"は、基礎となる"ベースフィルム"、導体を形成する"銅箔"の組み合わせでできています。一般的に、この二つの材料を貼り合わせることで"F-CCL"が出来るのですが、その張り合わせ方で、”3層F-CCL”と”2層F-CCL”と分類されます。なお、ベースフィルムによく使われる材料は、ポリイミドです。
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3層フレキシブル銅張積層板
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"3層F-CCL"は、ベースフィルムと銅箔の貼り合わせに"接着剤"を使用しています。材料の数が3種類(3層)で構成していることから、このように呼ばれています。
"3層F-CCL"は、フレキシブル基板の材質では一般的な構造のため安価です。特殊な仕様がなければ、この材質を選択することが多いです。なおP板 .comでは、選択しやすくするために、"銅箔+接着層+PI(ポリイミド)"と表現をしています。
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2層フレキシブル銅張積層板
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"2層F-CCL"は、ベースフィルムと銅箔の貼り合わせに接着剤を使用しません。材料の数が2種類(2層)で構成していることから、このように呼ばれています。
材料の数が少ないため、"3層F-CCL"と比べて薄く、柔軟性があり、耐熱性も高まりますが、"3層F-CCL”と比べ高価になります。なおP板 .comでは、"銅箔+PI(ポリイミド)"と表現をしています。
一般的な"2層F-CCL"の製法はキャスト法、ラミネート法、メタライズ法があります。各製法の簡単な説明は、下記となります。
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●キャスト法:
銅箔上に液状のポリイミド樹脂を均一に塗布し、高温処理により乾燥、熱硬化させ形成する製法です。銅箔とポリイミド樹脂の間には、銅箔と接着性があり、ポリイミド樹脂と親和性の高いポリイミド樹脂剤を薄く塗布します。
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●ラミネート法 :
ポリイミドフィルムにポリイミド樹脂を薄く塗布し、銅箔を重ねて高温と圧力をかけて形成する製法です。
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●メタライズ法 :
ポリイミドフィルム上にシード層を形成し、その上に電解めっきで銅を形成する製法です。
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板材比較
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"3層F-CCL"と"2層F-CCL"の違いを表にまとめました。材質選択の際に参考にしてみてください。
項目 |
3層F-CCL |
2層F-CCL |
屈曲性 |
○ |
◎ |
寸法の安定性 |
○ |
◎ |
耐熱性 |
△ |
○ |
コスト |
◎ |
○ |
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