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space 第89号|2020年07月発行 presented by P板.com
目からウロコ!のQ&A便
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Question 製造スペックをまもって設計すればいいのでしょうか。
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Answer はい。ですが、もう一段階上の設計を目指してみませんか。
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不良品、読んで字の如く質や状態などがよくない品を指す言葉です。多くの人が聞きたくない言葉ですが、製品を作る上で一定数発生するため、押さえるポイントをどれだけ知っているかも重要になります。プリント基板では不良品を防ぐ目安として製造スペックを掲載していますが、この数値通りに設計しても不良品は発生します。ただし、数値以外のことも意識することで不良品の発生確率を下げる、言い換えると歩留まりを上げることができます。
space 製造スペックだけで判断しない
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プリント基板の製造をする上で、致命的な問題が起きやすいのは回路形成時です。一箇所でも回路がショートや断線をしていれば、その基板は使い物になりません。そのため、製造スペックでも銅箔距離に関する項目が多く記載されています。

アートワーク設計では、製造スペックに記載している数値をDRC(デザインルールチェック)に入力しチェックをすることが多いと思います。入力した数値が合っていれば、どんな設計データでも品質は同じになると考える方もいるかもしれませんが、実際は配線の引き回し方を意識するか否かで歩留まりが大きく変わります。 space
最小パターン幅/間隙
最小パターン幅/間隙(以下、最小L/S)は、銅箔の線幅と間隙の最小値です。最小L/S箇所が少ないほど歩留まりがあがるのは、設計者であれば周知の事柄だと思います。そのため、最小L/Sを使用する必要がある箇所と、使用せずに配線する箇所を分けて設計します。ただし、一部分だけ急に最小間隙になった場合はショートしやすくなります。これは、回路形成の工程が影響しています。
Answer プリント基板の回路形成は、一般的に不要な銅箔をエッチング液で溶かして形成します。パターンの間隙が急に狭くなると、エッチング液が正しく循環しない可能性が高くなり、結果ショートした基板ができやすくなります。そのため、最小パターンの必要がない箇所は、パターン幅や間隙を急に変えずに、一定の間隙を確保しながら引き回すことが重要です。エッチングについては、過去に説明したベタパターンの間隙を参照してください。 space
ベタで囲っていない独立した最小パターン
銅箔ベタで囲っていない独立したパターンは配線が細くなりやすく、断線の可能性が高まります。これは、保護する銅箔がないため、通常よりもエッチング液で銅箔が溶解されるためです。実装認識マークの周辺にガードパターンを入れるのも、認識マーク用のパッドが細りすぎるのを防ぐためです。

銅箔の引き回しを注意することで、回路形成の歩留りだけでなく、GND強化や基板の反りなどの対策にもつながります。数値だけにとらわれず、基板全体の間隙や銅箔量なども考慮しましょう。 space
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第89号|2020年07月発行
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【発行元】株式会社 ピーバンドットコム
【編集人】宇吹 新
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