はじめに
前回(第2回)は、入手性のよい汎用のタイマIC 555を使って、高輝度LEDを駆動する実験用のスイッチング電源の回路を設計しました。今回は、何百万円もする高価な業務用ツールではなく、電卓のように気軽に使えるお絵描きツール“PCBE”を使って、プリント基板のパターン・データを作ります。次回は、家庭用のインクジェット・プリンタでフィルムにパターン・データを印刷し、感光基板で焼き付け後にエッチングして銅箔パターンを作ります。
プリント基板 CAD 事はじめ
文房具のような手軽さ!お絵描き基板データ作成ツール“PCBE”
人気のオープンソースCAD “KiCad”は、回路図や部品表の管理や回路シミュレータとの連携など、作画以外のさまざまな機能を豊富に備えていますが、初心者には全体像をつかみにくく、最初のツールとしてはお勧めできません。
ここでは、Windows版のフリーソフト“PCBE”(高戸谷 隆氏)を使います。私はWindows98のころから愛用しています。とにかく操作がシンプルで、本格的なプリント基板も設計できるため、プロからホビーストまで今も根強い人気があります。
業界標準の基板データ「ガーバ(gerber)」も出力できますから、PCBEで作った基板データをオンラインの基板製造サービス「ピーバンドットコム」に送信すれば、完成したプリント基板が自宅に届きます。
STEP1:ソフトウェアのダウンロードと起動
PCBEは、ここ からダウンロードできます。本稿ではバージョン0.63.6を利用します。指示にしたがってインストールを進めてください。
PCBEを起動すると、図1に示す作画エディタが開きます。
図1 プリント基板CAD PCBE の起動画面
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