はじめてのプリント基板製作

はじめに

前回(第 3 回)は、文房具のような手軽さの作画 CAD ツール“PCBE”を使って、第 2 回で設計した LED 照明用 DC-DC コンバータのプリント基板データを作成しました。今回は、このデータを基にして、プリント基板を製作します。
本稿は、片面のシンプルな仕様を例に、プリント基板の造りを理解することを目的とするものです。CAD から穴あけと洗浄まで、プリント基板が完成するまでの全工程を説明しています。エッチングや露光の方法に関しては、サンハヤト社の動画も参考になるでしょう。

材料と工具を用意する

感光基板製作入門キット PK-12(サンハヤト)を利用します。PK-12 には次の材料が含まれています。

1. インクジェット・フィルム
2. ポジ感光基板 NZ-P10K(紙フェノール、1.6 × 75 × 100mm、予備が必要)
3. 現像剤 DP-10(予備が必要)
4. ポリ袋
5. エッチング液処理剤
6. EG クランプ
7. プラスチック・トレー(本キットでは外装箱)

さらに次の道具も用意します。

1. インクジェット・プリンタ(マスク作成用)
2. 蛍光灯スタンド(感光基板露光用)
3. クレンザ、たわし、スチール・ウール(レジスト除去用)
4. 竹製ピンセット、または割り箸(エッチング液から基板を引き上げる)
5. カッタ・ナイフまたは P カッタ(基板切断用)
6. ボール盤またはピンバイス(穴あけ用)
7. Φ0.8、Φ1.0、Φ1.2 のドリル刃
8. 基板専用フラックス(HB-L15F、サンハヤト)
9. ウエス、ボロ布、雑巾など
10. 30-40 ℃のお湯と温度計(現像用、エッチング用)

2023年12月発行 [技術情報]エレクトロニクスの確かな情報便
PCB CADで初めてのプリント基板製作[CAD入門編]
第4回 CADデータからプリント基板ができるまで
著者:善養寺薫/Kaoru Zenyouji(株式会社ディスクリテック)
企画編集:ZEP エンジニアリング株式会社
主催:株式会社ピーバンドットコム

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