プリント基板の製造・設計・実装なら
プリント基板のネット通販 国内シェアNo.1!

失敗しない製造データのポイント 品質安定編

試作・リピート製造(量産)に関わらず、安定した品質の基板をつくるには「後工程を考慮したデータ作り」を目指す必要があります。ただ漫然と設計してしまったデータでは、均一な基板仕上がりに影響を及ぼすことがあるためです。
本ページでは、失敗しない製造データのポイント基礎編に続く「品質安定編」として、試作でもリピート製造でも役にたつ設計ポイントをまとめてみました。今後の基板づくりにぜひ取り入れてみてください。

1基板コーナーにはRをつける

基板コーナーには、半径5.0mm程度のRを設けましょう。

基板コーナーにRをつけると、以下のようなメリットがあるためです。

Rは大きい方がよく、R5.0mm程度を推奨します。小さいRでは上記の事象を防げない場合があります。捨て基板、製品基板ともに、コーナーにはRをつけることをご検討ください。

2捨て基板を追加する

面付けやマウンター実装をしない場合でも、捨て基板の追加を検討しましょう。

外周に捨て基板を設けると、以下のようなメリットがあるためです。

捨て基板は、面付けやマウンター実装時用に使うだけでなく製品を守る効果があるので、基板の上下左右全てに設けることが望ましいです。上下左右への追加が厳しい場合はマウンター実装を考慮して基板の長手方向に設けるとよいでしょう。
基板の面積が増えコストが上がるという点はありますが、品質を安定させる上では非常に効果的な方法です。ぜひ捨て基板の追加をご検討ください。

3加工ガイド穴をあける

安定した外形を作るために加工ガイド穴を設けましょう。

<推奨> ・サイズ:φ2.05mm(NTH)or φ1.55mm (NTH)
・配置位置:基板上に2箇所、逆投入防止用に1箇所、計3箇所
・非対称、非点対称位置に配置
・裏返しても180度回転させても重ならないよう基板対角上に配置
・基板原点座標より5.0mm単位を基本に配置

外形加工に必須の加工ガイド穴を「基板内」へ設けると、次のようなメリットがあるためです。

基板内に加工ガイド穴がなくても製造は可能ですが、その場合は基板の全周をルーター加工で全部削り落とさずに外形の一部を残し、手動でカットし基板側面を手加工で平らにして製造します。全部削り落してしまうと、接続部分を切り離す瞬間に応力がかかり基板が飛んでしまうおそれがあります。
正しい外形を作成するためには、ぜひ加工ガイド穴の設置をご検討ください。

4基準穴/副基準穴をあける

実装工程で使用する基準穴/副基準穴を設けましょう。

<推奨> ・基準穴:φ4.0mm(NTH)
・副基準穴:φ4.0x5.0mm(LNTH)
・実装流し方向に対し水平に配置

基準穴/副基準穴を設けると、次のようなメリットがあるためです。

副基準穴は、基板の寸法収縮を考慮して丸穴ではなく長円としています。「基準穴/副基準穴」が必要ないSMD部品のマウンター実装機もありますが、位置決め用の基準ピンやマウンター内の搬送用のピンを使うマウンター機器が多数あるため、設けておくことを推奨します。

5実装認識マークをつける

挿入機や装着機と基板の位置合わせをするための、実装認識マークを設けましょう。

<推奨> ・パターンサイズ:φ1.0mm
・レジスト開口サイズ:φ3.0mm
・ガードパターン:外径φ3.9mm、内径φ3.3mm のリング
・配置位置:基板上に2箇所、逆投入防止用に1箇所、計3箇所以上
・非対称、非点対称位置に配置

実装認識マークを配置すると、以下のようなメリットがあるためです。

実装認識マークがないとマウンター実装ができない場合もあるので、設けるようにしましょう。また、0.5mmピッチ未満の狭ピッチ部品や、BGAなどのパッケージの下にリードがある部品は、マウンター実装の精度を高めるために個別に設けることを推奨します。
配置位置は、表面、裏面の誤実装を防ぐためにも非対称、非点対称とし、裏返しても180度回転させても重ならないようにします。こうすることで、仮にマウンターへ逆に投入されたとしても、部品搭載ミスを防ぎます。

なお、パターン形成時のエッチング(銅箔の不要箇所を化学薬品の腐食作用で溶解していく工程)により実装認識マークが消えないようにするため、保護目的で周りにベタパターンを配置するとよいでしょう。

6 品番/機種名を表記する

基板を特定する品番、機種名などを表記しましょう。

基板を特定する品番、機種名などを表記すると、以下のメリットがあるためです。

何も表示がない場合は、基板の絵柄で判断することになってしまいます。品番、機種名などを表記することで、取り間違いを減らします。また、改版時に「通し番号」などの記載があると細かい変更をした際にも目視確認でき、管理しやすくなります。