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面付基板を分割する時、注意する点はどこですか?
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分割箇所だけに効率よく力を伝えることが重要です。
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基板の面付けは、一般的な手法のため多くの技術者が使用します。そこで、面付けを利用している技術者に面付けで重要視していることを聞いてみると、「シート外形に対して効率的に並べる」という回答が最も多い結果となりました。ただ、効率的に並べることに重点を置きすぎたため、製造後の基板分割が困難になる問題が起き、相談を受けることもあります。なぜ分割が出来なかったのか、実際に相談を受けた例を交えながら考えていきます。
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分割箇所の加工方法と分割方法
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一般的にプリント(リジッド)基板の材料は硬いです。そのため、基板製造後に分割するには、基板上へ分割用の加工を施します。加工方法は、スリットやミシン目、Vカットなどがあり、これらを組み合わせて面付けをします。
なお加工を施さずに基板製造をし、その後分割する場合、分割用の専用機器の使用か相当な労力を払う必要がでます。さらに、基板分割箇所を目算で決定するため、分割位置や精度に難がでるのでおすすめは出来ません。
つづいて、基板を分割する一般的な方法は、
・手で割る
・ラジオペンチで固定して割る
・ニッパーで切る
・Vカット分割機で切断する
・ハンドルーターで切断する
Vカット分割機やハンドルーターは、基板への負荷を軽減し分割後の断面が均一になりますが、機器を準備するのは容易ではありません。製造、実装会社などで使用することが多いでしょう。逆に、手やラジオペンチ、ニッパーを使用する方法はハードルも低く、個人で実施する事ができます。では、基板側の加工方法と分割方法の組み合わせをまとめます。
・スリット、ミシン目 : 手で割る、ニッパーで切る、ハンドルーターで切断する
・Vカット : 手で割る、ラジオペンチで固定して割る、Vカット分割機で切断する
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分割箇所を設ける時のポイント
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分割箇所の加工方法と分割方法を確認したので、実際にご相談頂いた内容を例に、なぜ分割が難しくなったのかを考えてみます。
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●単純にVカットが手で割れない
一番多い内容は、捨て基板を分離用のVカットが手で割れにくい、割れないというものです。基板材料は硬いため、V溝が入っていても形状次第、例えば捨て基板の幅に比べてVカットが長いと割れにくいです。この場合、ラジオペンチなどで基板を固定し、Vカット箇所により強い力を掛けて割ることができますが、固定箇所やVカット周辺の銅箔や部品固定箇所に負荷がかかるので注意が必要です。他の対処方法として、
・Vカット長さに対し、捨て基板の幅を大きくする
・Vカットの途中にスリットをいれて、Vカット長さを調整する
・カッターでV溝を深く入れてから分割する

ただし、カッターを使用する場合、Vカット以外の箇所を傷つける可能性がありますので慎重に処理をしましょう。なお、Vカットをより深く入れて欲しいという相談もありますが、深く入れすぎると後工程や輸送時などに割れてしまうことがあるため、基準書通りの数値で対応します。
●分割箇所をまたいだ部品があって割りにくい
つづいて多い相談内容は、Vカット上に部品外形があり分割しづらいというものです。手で分割する場合、基板を上下に動かしながら分割することが多いでしょう。そのため、部品が分割箇所をまたいで配置していた場合、Vカット折面が部品の無い方向に固定されるため割りづらくなります。また、部品方向に動かした場合、実装部品のはんだ付け箇所や部品本体に余計な負荷がかかり不具合の原因となります。この場合、設計段階で分割箇所をまたぐように部品を配置しないことが大前提となります。またぐ必要がある場合は、部品が当たらないようくり抜き穴を設けるなどして対処しましょう。
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基板を分割して納品
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プリント基板製造を選択して頂いた場合は、ルーター切り出し面付けをご使用いただくことで、複数種類の基板を分割した状態でお届けできます。部品実装後のVカットとミシン目の分割は、お問い合わせいただければ対応可能です。分割基板の図面情報と要望を送っていただければ、専門スタッフから対応可否含めた返信をいたしますので、お気軽にご連絡ください。なおミシン目を割った場合、バリが発生します(Q&AVol.42)。バリをなくしたい場合は、「バリなし」の状態での納品も可能ですので、ご指示ください。

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