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お客様の声 株式会社オーギャ 様
未来を切り拓くセンサー技術とものづくりへの挑戦
最先端のセンサー技術を活用し、さまざまな分野の課題解決に挑む株式会社オーギャ。その代表取締役である水島昌徳様に、同社の取り組みや製品の強みについてお話を伺いました。さらに、今後の展望や「P板.com」を活用した開発事例、同サービスの魅力についても語っていただきました。

水島 昌徳様(写真右)
株式会社オーギャ
代表取締役
高木 茂王様(写真左)
株式会社オーギャ
ソフトウェアエンジニア
今回製造された製品はどのようなものかお聞かせください。
水島さん 今回製造したのは、インソールセンサーという足裏の圧力分布を測定できる製品です。このセンサーには独自の特許技術を活用しており、足裏にかかる力をリアルタイムでデータ化できるんです。具体的には、センサーシートの中に70個の感圧センサーを行列状に配置していて、それぞれの圧力を検知してBluetoothで信号を送信する仕組みになっています。センサー部分の基板や信号処理回路、アナログ出力のセンサーキットなどは、P板.comさんにお願いして製造していただきました。細かい部分まで対応してもらえたので、本当に助かりました。このセンサーは特に耐久性と精度にこだわっていまして、P板.comさんだからこそ実現できたクオリティだと思っています。他にも海外製造の製品もありますが、どうしても壊れやすいものが多いんですよね。その点、うちのセンサーは丈夫で信頼性が高いので、自信を持って提供できる製品に仕上がりました。
新開発のワイヤレス面圧検出インソール
今回の製品を開発するにあたってご苦労された点をお聞かせください。
水島さん 私たちが手掛けるインソールセンサーは、スタートしてからすでに12年が経ちました。最初は8×8の小さなセンサーからスタートし、有線タイプで開発を進めました。その後、8×24サイズに拡大し、3つのバージョンを経て無線タイプへと進化。常に改良を重ね、現在の形にたどり着きました。開発の過程では、さまざまな課題が立ちはだかりました。特に、既存のフィルム型センサーを使った場合、耐久性の問題が顕著でした。例えば、基板を足裏に装着するとすぐに銅箔が割れてしまったり、曲げた際に誤認識が発生したりするなど、課題が山積みでした。これらの問題を解決するため、私たちは独自にゴムを使用したセンサーを開発。1,000万回の耐久テストをクリアするなど、品質に自信を持てる製品を作り上げました。
また、センサーを靴の中に組み込む設計するにあたり、基板の開発が重要なポイントでした。その際にP板.comさんにご協力いただきました。細かなカスタム仕様や特殊な設計にも柔軟に対応していただき、大変スムーズに製品化を進めることができました。
現在、このセンサーは大学やリハビリ施設をはじめ、義足の歩行訓練や高齢者のリハビリなど、さまざまな研究用途に利用されています。特にリハビリの現場では、視覚的なデータを提供することで、高齢者の重心移動や姿勢の改善に役立てられています。また、展示会でも大きな反響をいただいており、研究者や医療関係者の皆様から多くのご関心を寄せていただいています。
どのようなきっかけでP板.comをご利用いただくようになったかお聞かせください。
水島さん 当社では、P板.comのサービスを長年利用させていただいておりますが、本当に助かっています。例えば、補助金の申請時に必要な帳票や書類など、細かい依頼にも迅速かつ丁寧に対応していただける点がとてもありがたいです。こちらからの指示も正確に反映してくださるので、作業の効率が非常に上がりました。また、初期の頃は多少のミスが発生してしまうこともありましたが、長年のやり取りを通じて双方の理解が深まり、今では非常にスムーズな対応をしていただいています。具体的には、計算時の細かな調整や特殊なフォーマットへの対応も柔軟に行っていただけるので、安心して依頼ができます。特に助かっているのは、先ほどもお伝えした、補助金関連のサポートです。申請に必要な細かい条件や要求にも対応していただけるため、スムーズに進めることができています。おかげさまで、当社のプロジェクトも予定通りに進行し、成果を出すことができています。
リアルタイム性に優れた検出スピード
今後の御社の展望をお聞かせください。
水島さん 当社では、現在展開しているインソールセンサーのさらなる普及を目指しています。このセンサーは、足裏全体の詳細な圧力分布を計測できる高機能な製品ですが、次のステップとして、よりシンプルで手軽なモデルを開発中です。具体的には、かかとやつま先など必要最低限のポイントに絞ったセンサーを設計することで、コストを大幅に抑え、より多くのお客様にお使いいただけるようにしたいと考えています。これにより、センサーのラインナップを増やし、幅広いニーズに対応していきたいと考えています。さらに、センサー技術を応用した新しい分野にも挑戦しています。その一例が「噛む力」を測定するセンサーです。これまで歯科分野では正確な噛む力の測定が難しいとされてきましたが、当社のセンサーを活用すれば、手軽に高精度なデータを取得できるようになります。この技術を応用し、日本人の噛む力を向上させるトレーニングツールの開発など、健康分野への展開も視野に入れています。
加えてインソールセンサー自体も改良を重ねています。現在のモデルよりさらに薄型化を進めることで、日常使いしやすく、幅広いシューズに対応可能なデザインを目指しています。例えば、フラットな薄型インソールを実現することで、スポーツや医療の分野だけでなく、一般的な靴にも簡単に組み込める製品へと進化させたいと考えています。
当社のセンサー技術は、単なる計測装置にとどまらず、信号処理回路や設計基盤を含めたトータルソリューションとしての価値を提供しています。今後も柔軟に新たな用途や分野に挑戦し、社会に貢献できる製品づくりを続けてまいります。これらの取り組みを通じて、パートナー企業やお客様とともにさらなる成長を実現していきたいと考えています。
自社内に試作設備を完備し、迅速な製品開発を実現しています。
お忙しいなか、とても貴重なお話をありがとうございました。