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Vol.012 プリント基板の達人

2004/05/12

エッチング

 「エッチング直前の目視検査」と「エッチング工程」は、基板製造工程の中で
細心の注意と管理が最も要求される工程で、最大の山場となります。今号では
なぜ山場となるのか、その理由にふれながらエッチング工程を解説します。

 パターンが断線・ショートする原因は様々考えられます。
フィルムに印刷されたパターンの傷やにじみ、ゴミの付着、気泡の混入、
露光・現像工程での不具合などによって発生しますが、これらが原因となる
場合、エッチング工程の前に不具合を発見することができれば、作り直しする
ことができるのです。

 例えば、フィルムに印刷されたパターンが断線しており、そのまま露光・
現像を行ったとしても、エッチング前に発見すれば、感光剤をすべて洗い
落とし、フィルムを再度印刷して、すべての工程をやり直すことができます。 

 フィルムや感光剤は無駄になりますが、基板材料は再利用できますので
損害は少なくて済みます。その為、現像が終了した基板(エッチング工程
直前)への目視検査は特に入念に行われます。工場によってはAOI検査を
実施する場合もあります。

 しかし、事前の検査でも発見できなかった場合は、そのままショート・断線に
直結します。エッチング後に発見された場合、銅箔を削ったり、追加することで、
ある程度の修正はできますが、基板の信頼性を考えると好ましくありません
ので、特別な場合以外は行いません。つまり、エッチング後に不具合が発見
された場合には、基板材料ごと破棄しなくてはなりません。

 基板材料を無駄にしてしまうか、事前に不具合を発見して基板材料を
 再利用できるか「エッチング前の目視検査」は"材料の破棄"="最大のロス"
 を減らすための「最大の山場」なのです。

 次は、エッチング工程です。
コンベアの上に基板を乗せ、エッチング装置の内部に送り込みます。家庭で行う
エッチングは液体の入った層に漬け込みますが、工場では層に漬け込むことは
行いません。エッチング装置の内部には、上下に液体を吹き付けるノズルがあり、
そこからエッチング液を基板に直接噴射します。

 ポイントは2つです。

 <ポイント1.噴射の圧力・量・角度の管理>
 上部から噴射された液体は、どうしても基板上に溜まってしまいますので、
エッチング過多になる可能性があります。逆に下部から噴射された液体は、
基板に当たった直後に流れ落ちてしまいますので、エッチング不足になる
可能性があります。

 そこで、噴射の圧力と噴射する液体の量を調整して、上下が同じ条件になる
ように調整します。また、できるだけパターンと垂直にエッチング液を噴射できる
ように、一つ一つのノズル角度を調整して、基板全面に対して垂直に液体が噴射
されるように管理します。ノズルの角度が悪いと、パターン断面の横方向へ
液体が噴射されてしまい、パターン幅が安定しません。

 <ポイント2.コンベアを移動させるスピードの管理>
 銅箔の厚みには何通りかありますので、例えば35μを標準とすれば、18μ
の場合はコンベアを移動させるスピードをUpさせて、エッチング過多を防止します。
試作・サンプルなど多品種小LOTを得意とする工場ですと、流す基板ごとに
その都度時間設定を変更させなくてはなりませんので、注意が必要です。

 また、基板の仕様によってスピードを変化させる場合があります。
  
  ・ベタ(銅箔)が多く残る基板
  ・パターン・ベタ部分が少なく銅箔があまり残らない基板(パターンのみ)
  ・ポリゴンベタのある基板
  ・隣り合うパターンとの距離が離れ、エッチングを受けやすいパターン
   のある基板
  
 こうした特徴のある基板を流す際には、スピードを調整してエッチングの精度を
コントロールします。

 この他にも、エッチング液の濃度や組成、温度の管理、ノズルの清掃など、
管理するポイントは膨大にあり、どれか一つでもミスがあると、パターンの細り、
残銅、断線、ショートなど、重大な不具合に直結します。

 エッチング工程でのミスは不具合に直結します。逆に、徹底的に管理を行えば、
 高い品質を維持できます。エッチング工程は"基板の命"="パターンの精度"
 を決定する「最大の山場」なのです。

 次号では、エッチング後のレジスト塗布工程をご説明します。