Vol.002 プリント基板の達人
ソルダレジストの色について2
基板が緑色なのは、緑色のソルダレジストを塗布しているからですが、
ではなぜ緑色のソルダレジストが多く使われているのでしょうか。あれこれと
調査しましたが、科学的な根拠のある理由は見つかりませんでした。だた、
ソルダレジストメーカーの方や基板製造会社の方々から「緑色は目にやさしい
から、よく使用されているのでは」と教えて頂きました。
確かに、基板を製造する工程では、目視の検査がとても重要です。
AOIと呼ばれる光学式外観検査機も使用されていますが、最終的な検査は、
熟練した検査員が目視で行っています。その際に、基板がきらきらと光る
黄色や赤色ですと、まぶしくて検査どころではありません。また、黒色や白色
ですと、混入した異物、断線、残銅などが目立たなく、目が疲れてしまいます。
そう考えると、緑色が多いのも納得できます。
ではなぜ、黄、赤、黒、白など、カラフルなソルダレジストを使う必要が
あるのでしょうか。いくつかの理由があるようです。
(1)LOTやバージョンで色を使い分ける
たとえば、1回目の試作は赤、2回目は黄色、そして製品となったら緑色を使用
するなど、開発段階が一目でわかるように色分けを行う場合があります。
(2)実装する部品によって使い分ける
ピカピカと光るLEDを実装する場合、より美しく光らせるために、黒色のソルダ
レジストを使う場合があります。夜空に咲く花火のイメージです。その反対に、
受光素子が実装される基板には、乱反射を避けるために、白色のソルダレジスト
を使用することがあります。
(3)その時の気分や、好き嫌いで決める
「気合を入れるために、赤にしよう」「今日は暑いから、涼しげな青にしよう」
など、気分で色を使い分ける場合もあるようです。単に、開発者の好きな色を
使用する場合もあります。完全に個人的な趣味です。特にアメリカではこの
理由が多いと聞きます。
P板.comでは、目にやさしい緑色を標準としていますが、ご要望があるよう
でしたら、緑色以外の基板の取り扱いも検討したいと思います。
「こんな色の基板を作りたい」など、ご希望がありましたらぜひ一度ご相談ください。