Vol.020 プリント基板の達人 CiCAM特集

2005/07/06

< 第1回 >
NCデータ入門編

<<プリント基板製造用NCデータて何?>>
プリント基板製作をお願いするときによく耳にするのが「Gerber(ガーバーと
読みます)とNCデータ」があります。
この単語について説明します。

★Gerberデータ
以下の様な種類があります。
標準ガーバー:RS-274D(国際標準規格です)
拡張ガーバー:RS-274X 標準フォーマットがベースでマスパラメータにより
       拡張したものです。ファイルを開いてみると %~の記述が
       有りますが、これがその部分です。
しかし拡張ガーバーはちょっと複雑です。
それは、各社が拡張しているので多くの拡張ガーバーが有るからです。
でも業界では拡張ガーバー=RS-274Xが常識になってます。

拡張ガーバーを紹介します。
サイテックス社 Fire9xxx 又は CSI,MDBと呼ばれます。
Barco社 dpf
バロール社 odb++ odb++(x)
Fire9xxxはRS-274Dによく似ていますが他は相当異なっています。
でもご安心ください。世界共通はGerber RS-274D,Xです。

Gerberフォーマットは、もともと米国のガーバー社がアパレルの自動裁断機
用として定義したものです。
ですから内部を見るとGコード、Mコードといった機械系の方なら読めるような
コードで書かれています。
ガーバーデータの文字コードは今ではアスキーが普通ですが、メモ帳などで
開くと読めないコードで書いてあることがあります。
これはエビセディックコードといって元々はIBMのコードです。
昔はガーバーデータは磁気テープで受け渡ししており、
磁気テープの標準コードが開発元のIBMの影響でEBCDICコードになった様です。
日本の標準ガーバーは一寸複雑で、各社が定義した為に武藤ガーバーや
ペンタックスガーバー、DSガーバーなどと呼ばれるものもあります。

CiCAMは上記のフォーマットを全て読むことができますが、有償のオプション
になってます。
この辺の日本特有のフォーマットの事情はまたの機会にお話します。

最初の覚え方は
標準ガーバー :ガーバーデータとアパーチャが必要
拡張ガーバー :必要情報が全て入ったデータ
と覚えて下さい。

★NCデータ
日本では以下の4つのフォーマットがあります。
エクセロンフォーマット(ExcellonⅡ)
日立フォーマット
CRヒット
M05ヒット
日本を代表するNC穴メーカーは日立精工、ロクロク、竹内がありますが、
社名フォーマットで通用するのは日立フォーマット(エクセロンと99%
くらい似ています)位で他はCRヒットのG80,G81制御などと読んでいます。
本来はNCコントローラの性能で沢山のコードが使えるのですが、日本では
習慣的に最もシンプルなフォーマットを使っているようです。

例えば
T01 ←ツールを1番にしなさい
X100Y100
X110Y100
だとエクセロンの機械でも、ロクロクでも他のCAM編集機でも読めます。
しかし
T01
G81
X100Y100
X110Y100
G80
だと読めないCAM編集機もでてきます。

参考までにM05ヒットとは
T01
X100Y100M05
X110Y100M05
X200Y200 ←ヒットしない

★CiCAMではどうやって区別するのか
CiCAMでは自動読み込み機能があり、この辺の判断を全て自動で行います。
以下の操作で CiCAM-DATA にあるデータを読み込んで見てください。
1)ファイル - データ読み込み - 自動読み込み
自動で標準又は拡張、文字コードの判断を行います。
  詳しくは CiCAM - Doc フォルダに入っている CiCAM操作説明.pdf の
2-23ページを見てください。
2) 2ページ目に行くとフォーマットが274Dの場合、サイズが表示されます。
CiCAMではサイズが 50mm~600mmになるようにフォーマットを自動解析
  しています。
大体の基板サイズはわかっていると思いますので本来のサイズが 50×50
が500×500になった場合は、設定桁数が間違っていますので右のフォー
マットでボタンで MLA6,4 → MLA6,3 に変更してください。
サンプルデータは MLA6,4 で読み込めます。
3) 次へ 次へ 完了 で読み込んでください。

正しく表示されたと思います。

★何故標準ガーバーでは桁数がわからないのか
一般的には標準ガーバーでは書面にてフォーマットを伝えます。
データの中を見ると次の様に書いてあり、X12300 小数点の位置により以下の
様に変化します。
6,4では 1.23
6,3では 12.3
MLA6,4の意味は M=mm L=Lz(リーディングゼロサプレス) 6,4 = 整数部6桁
小数部4桁。
CiCAMではLzの場合整数部の桁数は見ていません。理由は内部のデータベース
が64Bit ですので表示エリアの制限が無い為です。

★他のデータでも試してください。
アパーチャサイズが入らないと思います。
大きさが正しく入らないのは、CiCAMでは認識できないアパーチャフォーマ
ットだからです。
一般的にはアパーチャは読み込み後に指定します。
入力方法はCiCAM - Doc フォルダに入っている CiCAM操作説明.pdf の
2-20ページ 2.8.6 アパーチャ定義を見てください。
自動認識させる事もできます。
これには先にAPFファイルを定義している必要があります。
2-24ページの 2.10 アパーチャマクロの作成を見てください。