Vol.029 プリント基板の達人 CiCAM特集

2006/03/08

< 最終回 >
他にどんな事ができるの

(執筆者ご挨拶)
近年Gerber Viewerは、読み込めるデータ量を低く抑えたり印刷機能を
抑えたりしてきていますね。
CiCAM View は何とか頑張って現状の機能を維持したいと思います。
是非応援してください。
今回はCiCAM Viewの製品版のCiCAM(シーアイキャム)の各種機能のご紹介です。
CiCAMは機能別にパッケージ化されおり、CiCAM MetalやCiCAM Professional
等の製品が有ります。
製品版のデータ読み込み機能がCiCAM Viewにも実装されていますので、
一般のフリーソフトとは異なり高い信頼性でデータ確認が行えます。
2005年度は、年間25回のバージョンアップを行いましたが、これでも少ない
ほうで、2003年は多い時で一日に4~5回のバージョンアップを行い、年間
200回以上のバージョンアップを行いました。
開発人数は、男性3人、女性2人の5人で作っています。
外国のCAMは80人以上で作っているらしいですよ。
しかし、外国製の1000万円を超えるCAMとの機能面での差は、DRC,
MRCの機能だと思ってます。
今年はこの機能を充実させて行きたいと思っています。
表示速度も、V-1.73.40 で5倍位に向上させました。V-1.73.40 では、ダイナ
ミックスクロール機能を実装しましたが、体感して頂いたでしょうか。
スピード面では、今年はDBを大きく変更し、合成レイアが有る場合の表示
速度を5~10倍に向上させる予定です。
さて、いよいよ今回が私の連載も最終回になりました。
今回はCiCAMの是非知っていただきたい機能をご紹介致します。
※CiCAM View は機能限定版ですので、今回ご紹介する機能は体験できません。
※期間限定での評価バージョンも有りますのでリクエストしてください。

★ODB,DPF,CSI,DXFフォーマットのサポート
★LOOP&塗り潰し機能
★輪郭抽出機能
★イメージ生成
★メタル加工データ作成機能
★マウントデータ作成機能
★帳票作成機能
★長穴機能
★ルータデータ作成機能

それでは簡単に各機能概要を説明します。
★ODB++,DPF,CSI,DXFフォーマットのサポート
DXF以外はCiCAM View では、動作しませんが製品版にオプションを追加
することで読み込む事ができます。
多くのCAD/CAMが扱うフォーマットは274X(拡張ガーバー)ですが、各社が
独自に開発したフォーマットも多くのメリットが有る為、使われています。
■ODB++
バロール・コンピューター・システム社のフォーマットで、作画情報
以外にも設計のパラメータを記録していますので、検査データに使うなど
多くのメリットがあります。
■DPF
マニア社UCAM用の拡張フォーマットで、最大の特徴はBlock定義が
行えますのでデータサイズが他より著しく小さい事です。
結果として処理速度が速い。
■CSI
サイニクス社のフォーマットで、現在は殆ど使われていません。
■DXF
AutoCADのフォーマットですが、多くのDXF→Gerber変換システムでは
レイア名に漢字が使われているとNGや、テキストに漢字が使われて
いるとNGです。CiCAMではちゃんと読み込んでいます。
開発は14Jの資料を基にしていますが、13Jデータから読み込めます。
★LOOP&塗り潰し機能
輪郭形状のDXFデータ等で製造する場合に、輪郭形状のエラーを検出、
自動修正します。
CiCAM View をインストールしたフォルダの下に 「DOC」フォルダが
有ります。このフォルダ内に「CiCAM各種操作説明.pdf」が有りますので、
3-2ページの「3.1 LOOP&Pcheck」をご覧ください。
★輪郭抽出機能
パターンやメタルデータからレーザ加工用の輪郭データを作成する
機能です。最初に作成した時は、まだMS-DOSでしたので、Windows3.1が
出たのは1993年ですから、15年以上も前になると思います。
274Xデータ等で合成レイアの場合、一度輪郭に変換してから処理
しますでの、非常に重要な基本技術です。
★イメージ生成
RIP(ラスターイメージプロセッサ)技術です。検査装置や、作画
装置用に開発したシステムですので、分解能が1μのラスターデータでも
高速変換します。変換タイプも BMP,TIFをサポートしています。
★メタル加工データ作成機能
メタルマスクを編集する機能です。
CiCAM View でもメタル編集機能は動作します。試してみてください。
鉛フリーの要求で、メタルサイズの変更を行いたい場合等に活躍します。
★マウントデータ作成機能
Gerberデータからマウントデータを作成する機能です。CADデータを
入手できない場合などに使用します。
★帳票作成機能
Gerberやドリルデータを利用して部品実装指示図を作成する場合等に
利用します。
多くの企業では実装指示図は機械系のCADを使用したり、Excell 等を
使用して作成していると思います。BMPを使った場合は、解像度で問題が
出ますし、機械系CADを使った場合にはアパーチャ幅の表現で満足
できないようです。
CiCAMは元々Gerber編集システムですから、画像を正しく表示できますし、
Windowsのフォントも使用できます。しかもベクターデータですから拡大
しても画像は鮮明です。
★長穴機能
CiCAMではドリルデータも編集する事ができます。
 穴図を作成する事も可能ですし、加工順番のソートや、クーポンの追加・
 指定も可能です(最後の一穴機能)。
長穴もサポートしていますので、ツール定義も長穴 1mm×2mmというように
指定できます。実際の加工方法は、センターに一穴・千鳥加工・連続加工や
この組み合わせでデータ出力が行えます。
★ルータデータ作成機能
Gerberデータのビューアとしてお使いだとあまり馴染みが有りません
 が、基板の外形加工用データを作成する事もできます。
元データの作成方法や、加工方法により様々な処理が要求されます。
ここでもLOOP処理技術や、輪郭処理技術を使ってます。

●━ 最後に ━●
こんな機能が欲しいというリクエストもお待ちしております。
DFM機能は開発を開始していますし、合成レイアが有る場合の表示速度の
問題も解決できそうですので今年はご期待ください。