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Vol.007 プリント基板の達人

2003/05/27

ドライフィルムについて

 プリント基板の達人も今号で第7号です。いよいよ、基板製造の最重要工程で
ある「パターン形成」に進みたいと思います。とても長い工程となりますので、
何号かに分割してご説明します。今号では、パターン形成工程の第一段階である
「銅箔にドライフィルムを貼り付ける工程」を詳しく説明します。

 ドライフィルムとは、簡単に言いますと「感光材がフィルムになったもの」
です。基板を自作した事のある方はよくご存知だと思いますが、感光基板と
呼ばれる基板が市販されています。これはパターン形成の作業が行いやすい
ように、もともと銅箔に感光材が塗布されています。しかし感光基板は高価で
あることと、保管が面倒であることから、工場では感光基板を使用せず、
感光剤としてドライフィルムを使用します。

 では感光材とはなにかと言いますと、光(紫外線)をあてた時に、硬化
(硬くなる)する物質です。銅箔にドライフィルムを貼り付けた後は、「露光」
と呼ばれる紫外線をあてる工程があります。パターンは、紫外線をあびて感光剤
が硬化した部分と、紫外線が遮られて硬化しなかった部分の違いを利用して形成
されます。感光剤はパターン形成にとって命です。

 それでは、工程を説明します。
ドライフィルムを銅箔に貼り付ける前に、銅箔を研磨します。本メルマガ
第5号で、レジストを塗布する前に研磨を行うと説明しましたが、ドライ
フィルム貼り付け前にも必ず行います。ここで銅箔に付着した酸化皮膜、
油脂類、防錆材、その他異物を完全に除去します。また、適度な凸凹を銅箔
に作り、ドライフィルムとの密着性を良くします。

 次に、ドライフィルムを銅箔に貼り付けます。「ラミネート」と呼ばれる工程
です。「ラミネーター」と言う専門の機械を使用して熱圧着するのですが、
ポイントが2つあります。

1.温度・・ドライフィルムは熱をかけると柔軟性が増し、粘着性も増します。
      大切なのは基板自体も温めることです。ドライフィルムと基板の
      温度が最適にマッチした時、最高の密着性が生まれます。

2.圧力・・より強い圧力が必要となりますが、ポイントは圧力のかけ方です。
      ラミネート工程の大敵は空気の混入です。空気を抜くように速度
      を調整しながらじっくりと圧力をかけます。なぜ空気の混入が 
      大敵か、下記の<問題例3>で説明します。

 では、このラミネート工程で不具合があるとどんな問題が発生するのか、
3つほど例を挙げてみます。

<問題例1:断線>
 パターン形成の最終工程で、不必要な銅箔を除去する「エッチング工程」が
あります。銅箔とドライフィルムの密着が悪いと、そのすき間に銅を溶かす
液体が流れ込み、必要な銅箔まで溶かしてしまいます。そこがちょうどパターン
部分ですと、断線する恐れがあります。

<問題例2:ショート>
 銅箔とドライフィルムの間に異物(ほこり、髪の毛など)が混入しますと、
露光の際に光が遮られ、パターンが形成されてしまいます。本来のパターンと
パターンの間に異物があった場合は、ショートの原因となります。

<問題例3:パターンの細り、太り>
 銅箔とドライフィルムの間に空気が混入しますと、露光の際にあてられた光が
空気で分散され、光が当たった部分とあたらなかった部分の境目がはっきりと
しません。
パターンが細ったり、太ることがあります。場合によってはショートや断線する
場合もあります。

 銅箔にドライフルムを貼り付ける単純な工程ですが、銅箔の研磨、ラミネー
ト時の温度、圧力など、すべての条件を精密に整えないと、基板にとって
致命的な不具合を引き起こします。ラミネート工程の重要さをお解かり頂けたと思います。

 次号では、フィルム合わせと露光の工程をご説明します。