お客様の声　株式会社FullDepth 様

2023年07月

深海300mの世界で活躍する「水中ドローン」にP板.comの基板が！

さまざまな危険や困難が伴う水中での作業を、人間から「水中ドローン」に置き換えることで、「水中がより自由な場所となる未来」の実現を目指されているフルデプスの伊藤様/古川様にお伺いしました。

今回、開発・製造された製品はどのようなものかお聞かせください。

伊藤さん　日常的に利用できる水中アクセス手段を提供することをミッションとして、産業用水中ドローン「DiveUnit300」を開発しました。
ダムや河川の橋脚、港湾などの水中インフラの点検（予防保全）や、水難救助の際のダイバーのサポート役など水中の課題を解決し、安心・安全かつ効果的・効率的な施設の建設と維持管理をサポートする製品です。

産業用水中ドローン「DiveUnit300」

私が子供の頃から深海魚に興味を持ち、それを自分で作ったロボットで実際に観察したいという思いがきっかけでした。水中の課題を解決するという目的よりも、自分自身の情熱と好奇心が、この製品開発のきっかけとなったのです。
大学で起業家育成講座を受ける機会があり、そこで「なぜそれをビジネスにしないのか」という質問が出されました。実際に調べてみると、水中での仕事をしている人々が存在し、その仕事は非常に過酷なものであることがわかりました。この部分で考えたのは、自分が作ろうとしているものは自分の興味の範囲を超えて、他の人にも役立つものなのかということでした。

「水中ドローン」をビジネスにした経緯をお話される伊藤さん

どのようなきっかけでP板.comをご利用いただくようになったかお聞かせください。

伊藤さん　高校生の頃からP板.comという存在は雑誌広告などで知っていましたが、大学生になってアルバイトとしてベンチャー企業で働いている時に初めて実際に利用しました。研究機関向けであったり、自社のロボット開発の試作などで利用していました。

古川さん　　今回インターフェースボックスという開発を担当する中で、基板サイズや基板形状の制約があり、メカ設計の担当者との仕様を綿密にすり合わせる必要がありました。加えてスケジュールもタイトでフレキシブルな設計開発を求められる中、元々存在を知っていたことに加え、伊藤からの推薦もありP板.com様にお願いさせていただく事となりました。

エレキを担当されている古川さん

今回の製品を開発するにあたってご苦労された点をお聞かせください

古川さん　私が担当したのは「DiveUnit 300」の後方に付いているインターフェースボックスで、防水性を保ちながら、ワンタッチで水中機材を接続できる拡張ボックスです。水中でダイバーの代替として、さまざまな作業を行うことができる汎用的な機能をオプションとして追加できる仕様になっております。お客様のご要望に応じて付け替えも可能で、保守性の部分ではメリットをご提供できているのではと感じております。この中にP板.comで製造した基板が入っています。限られたスペース内に基板を収める必要があり、それに合わせた基板設計が必要になります。メカ設計との連携や当然小型化も要求されるのですが、汎用的なオプション対応をするために今後実装される可能性があるデバイスを想定し、機能を設けておく必要があります。ただやみくもに機能を増やせば基板は大きくなってしまう為、そのトレードオフに優先順位をつけながらメカ設計や製品全体のバランスをとることをとても苦労しました。

最大で４つのオプション機材を接続できるインターフェースを持つ「DiveUnit300」

今後、御社の展望をお聞かせください。

伊藤さん　水中の中で見なくてはいけないものが山ほど増えてきています。これに対して解決していかなくてはならないことが様々ありますが、その大きな流れの一つとして「自動操縦」があると思います。人が操縦して作業を行う場合、操縦者の技術によって結果が異なる可能性があります。また、情報を定量化することや、誰でも簡単に操作できるようにすることも重要です。その観点から考えると、自動化技術は非常に重要な要素となります。自動化技術が存在することによって、水中ドローンが広く普及する可能性が高まると考えています。この「自動操縦」を取り入れ、誰でも利用できる水中ドローンを提供し、いずれは地球上全ての水中の情報化を目指していきます。

東京オフィスのプールの前で古川さん（左）と伊藤さん（右）

お忙しいなか、とても貴重なお話をありがとうございました。

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