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お客様の声 LINE株式会社 様
LINE Thingsで利用できるデバイスをP板.comで作りました!
世界中の人と人、人と情報・サービスとの距離を縮めることをミッションとされているLINE株式会社。Clova開発室でSDK開発に従事されながら、LINE Thingsで使用するデバイスを製作された伊藤様にP板.comの基板を使った取り組みや、今後の展望などについてお伺いしました。
伊藤剛浩 様
LINE株式会社
Search&Clovaセンター
Clova開発室 Clova開発4チーム
LINE Thingsとはどのようなものですか?
伊藤さん LINE ThingsはLINEアプリケーション上でBluetooth Low Energy (以降、BLE)に対応したデバイスをLINE Front-end Framework (LIFF)を用いて操作することが出来るIoTプラットフォームです。
LINE Thingsの特徴は双方向にデータを送信することができる点です。従来より提供してきたLINE Beaconという仕組みでは、電波を一方的に飛ばし定形の情報を送るのみでしたが、LINE ThingsであればLINEアプリからデバイスを操作したり、例えば体重計にデバイスを搭載することで、実際に量った体重をLINEのメッセージで受け取ることができます。
LINE Thingsの利用イメージと体重計のデモデバイス
LINE Thingsはデバイス連携機能、LIFF BLE、自動BLE通信という、3つの機能を提供します。デバイス連携機能は、LINEアプリ上でBLEデバイスを管理することができます。LIFF(LINE Front-end Framework)は、LINE内で動くWebアプリのプラットフォームのことで、LIFF BLEを使うとLIFFでのBLE通信が可能になります。自動BLE通信では、LINEアプリとデバイスが、ユーザーの操作なしにBLE通信を行います。これによりLINEアプリが開いていなくてもデバイスと自動的に通信をして、双方向通信を行うことができます。
LINE Things構成イメージ
基板製造にあたっての苦労話をお聞かせください
伊藤さん 社内での実証実験用のデバイスとして基板製造を進めました。今回製造したデバイスは湿度や気温、気圧、CO2を定期的に計測し、閾値を超えると自動的にLINEのメッセージで通知する仕組みです。
今回製造した、各種センサーを実装したデバイス
最初の試作は海外の基板ネット通販会社を利用して製造していたのですが、色々と問題がありました。まず言語の問題です。当時、私は台湾の大学院へ通っていたので、中国語での日常会話には困らないレベルではあったのですが、専門用語などになると厳しい部分がありました。レジストを中国語でなんと言うかわからず、「黒にしてくれ」と伝えたものの、どこが黒になって出来上がってくるか、届くまで心配でした。また、実装してもらうマイコンを送った際に税関で止められてしまうなど。ファームウェアやプログラムの開発に集中したかったのですが、色々な不安の中進めている感じでした。
海外の基板ネット通販会社の問題点をお話される伊藤さん
P板.comを利用されるにいたった経緯をお聞かせください
伊藤さん そして、帰国のタイミングと次の基板製造でP板.comを利用しました。P板.comのことを知ったのは、実は10年ほど前の学生時代にP板.comが主催している「電子工作コンテスト2010」に「ハーブのきもち」という作品を応募したのがきっかけでした。「ハーブのきもち」は、土中の水分状態・日照状態を計測し、植物の水やりのタイミングを教えてくれる、まさに植物のきもちを知らせてくれるガジェットで、今思えば、こうしたセンシングした情報を外部出力させるというアイデアが根本にあり、時を経てLINE Thingsでより先進的な技術に携われることに喜びを感じています。
伊藤さんが学生時代作成された「ハーブのきもち」
P板.comを利用されてどうでしたか?
伊藤さん 以前、自分で設計したパターンでP板.comに製造依頼をした時にアンテナになっているパターンを指摘された事があり、しっかりガーバーデータのチェックをされているという印象がありました。やはりコミュニケーション面での不安もなかったですし、設計から全てお任せすることで、自分自身はプログラムを書くことに集中することができました。Webプログラミングとデバイスのプログラミングは全然違いますし、プログラミングと回路を書くことも違います。またアートワーク設計になると、電源ラインに気をつけないといけないとか、どうパターンを引き回さないといけないかなど領域が違うので一人で全てをやるのは厳しいと思っています。なので、お任せできる所はお任せしたく、その要望を全て叶えてもらい感謝しています。
今後の展望をお聞かせいただけますか?
伊藤さん 個人的にはLINE Thingsがパーソナルユーズのデバイス、例えばスマートウォッチや学習リモコンなど毎日使うデバイスに普及していって欲しいと思っています。また Clovaの開発を担当しているので、LINE Thingsと連携できないか模索していきたいと思います。
「先進的な技術で新しいサービスを生み出していきます。」(伊藤さん)
お忙しいなか、とても貴重なお話をありがとうございました。