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お客様の声 東京大学 大学院医学研究科 様

2010年8月

生命を支えるP板.comの基板

東京大学で人工心臓の研究を続ける斎藤先生。現在の人工心臓は第5世代目で、その中にはカスタムメイドのプリント基板が入っています。人工心臓は長時間の安定した動きが要求されます。この、とりわけ高品質が求められる「生体に組み込まれる基板」に、P板.comの基板が採用されていました!先生の研究内容とP板.comの基板の使用状況などについてお聞きしました。

研究内容についてご紹介をお願いします。

斎藤さん Biomedical engineering(医用生体工学)と呼ばれる医学と工学とを融合させた学問分野で、従来医師の経験や感覚に頼っていたり、不可能とされていた治療や診断を、機械(電子体温計、MRIなど)を使うことで、より緻密に、より効率良く行うための研究です。 以前はサーモグラフィーなどの研究も行っていましたが、現在の研究の中心は人工心臓になっています。人工心臓の研究自体は、アメリカで50年代に始まり、その1年後に東京大学でスタートしました。

人工心臓とはどのようなものなのですか?

斎藤さん 人工心臓には大きく分けて2種類あります。ひとつは『補助人工心臓』で、自分の心臓は残したまま、それを補助するための人工心臓です。 使用者は世界的に数千人位で、国内でも100人弱いらっしゃいます。現在の人工心臓をつけた患者さんの殆どはこの補助人工心臓を使用されています。

もうひとつの『完全人工心臓』は、補助人工心臓では助けることができない、重症の患者さんのための人工心臓で、自分の心臓を取り除き、完全に人工心臓のみで生命活動を支えることができます。

我々が行っている完全人工心臓の研究では、『自分の心臓は状況に応じて脈が変わるが、人工心臓ではこれをどうやって制御するのか?』という点が大きな課題です。人体のメカニズムは単純ではありませんから、状況に応じて自動的に脈を調整する人工心臓を作るのはとても大変なことなのです。

なぜこの分野を研究されようとしたのでしょうか。

斎藤さん もともとは電気とかコンピューターが好きでした。 大学に入学し、たまたま人工心臓の電気周りを研究する人物と出会い、実験を手伝う機会があったことがきっかけです。

最初の実験で、いろいろと準備を積み重ね、実験に望んだのですが、たったの4時間で終了してしまいました。その中でいろいろな失敗を見つけ、同時にこういうテクノロジーがあることにとても驚きました。 そして、実験結果を元に改良することで、どんどん実験時間は伸ばすことができました。『もっとこの分野に自分の電気/制御関係の知識をいかしたい』気がつくと、のめりこんでいましたね。(笑)

「人工心臓 = 生体内に埋め込む機械」を研究開発していく上で、特に形状 /回路などで工夫された点があれば、お聞かせいただけますか。

斎藤さん 本体は、普通の心臓のように右心、左心と二つに分かれています。モーターで全身に血液を送りますが、その際に生じる熱をどう放熱させるかがポイントとなります。特に左心には大動脈血圧が掛かりますので、モーターも大きく、それに掛かる負荷も大きいです。

そこで、左心のモーター部を右心と左心の血液ポンプで挟み込んで発生した熱を、血液に逃がすよう工夫しました。 次に、モーターの温度制御とノイズをデジタル処理して制御する基板が必要となります。 しかも、モーターの側面にできるだけ密着させたいので、単に板厚が薄い基板ではなく、フレキシブル基板しか選択肢がありませんでした。 これには、P板.comで作ったフレキシブル基板が搭載されています。

QP板.comをご利用されていかがでしたか。今後のご要望もお聞かせください。

斎藤さん やはり、「イニシャル無料」であることと「1枚から発注できる」という点が便利だと思います。あとは主に大学の研究で使うので、学内の面倒な経理処理にも柔軟に対応いただけるのが有難いですね。

品質についても問題ありませんでした。テスト用というわけではなく、実際の実験で使用するものを依頼しています。それを前提としての、コストのメリットは大きいですね。そうそう、一度、設計でミスがあったときに確認の問い合わせをもらえて助かりました。そこもよかったですね。

いつの間にか対応できる製造仕様や納期などの選択肢が広がっているのは、うれしいですね。今後の要望としては、コストはそのままにそういうのをどんどん増やして欲しいです。

かしこまりました!今後ともP板.comをよろしくお願いいたします。

斎藤 逸郎 様にご利用いただいたサービス

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